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【2026年最新版】相続放棄の手続きガイド|流れ・費用・期限・注意点と専門家の選び方
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【2026年最新版】相続放棄の手続きガイド
流れ・費用・期限・注意点と専門家の選び方

失敗しやすいポイントを、司法書士の実務目線からお伝えします。

相続が始まると、預金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金・滞納・連帯保証などのマイナスの財産も含めて引き継ぐ可能性が出てきます。「思わぬ借金を背負うことになった」という事態を避けるための制度が、相続放棄です。

ただし相続放棄は、やり方を間違えると「もう放棄できない」状態になったり、期限に間に合わなかったりすることがあります。このページでは、最初に押さえるべきポイントから順にご説明します。

相続放棄で押さえておきたい3つの急所
  • 期限は原則3か月(いつから数えるかに注意が必要です)
  • 財産に手を付けると放棄できなくなることがある(法定単純承認)
  • 放棄するとプラスの財産も一切もらえない(撤回も原則できません)

1. 相続放棄とは何か

相続放棄とは、家庭裁判所に申述をして、相続人としての立場そのものを降りる手続きです。法律上は「最初から相続人ではなかった」という扱いになります(民法939条)。

ポイントを整理すると、次のようになります。

  • 借金・滞納・連帯保証などの支払い義務から外れる
  • 遺産分割協議に参加しなくてよくなる
  • 預金も不動産も、プラスの財産はすべてもらえなくなる
  • 「借金だけ放棄して、家だけもらう」はできない(丸ごと放棄)

2. 相続人の選択肢は3つ

相続開始後、相続人が取り得る選択肢は大きく3つです。

選択肢 内容 多いケース
単純承認 プラスもマイナスも全部引き継ぐ 資産が多い、状況が把握できている
限定承認 プラスの範囲内で借金を負担(相続人全員で手続きが必要) 借金が読めないが残したい財産がある
相続放棄 プラスもマイナスも一切引き継がない 借金が多い、トラブルに関わりたくない
限定承認は制度としては存在しますが、相続人全員で申し立てる必要があるなど手間が大きく、実務で使われるケースは限られます。

3. メリットと、後悔しやすい注意点

相続放棄のメリット

借金・滞納・保証などの支払い義務から外れることが最大のメリットです。相続の話し合い(遺産分割協議)からも離脱できるため、「督促が怖い」「親族と揉めたくない」という方にとっては、精神的な負担の軽減にもつながります。

後悔が起きやすいポイント

あとから取り消せない

相続放棄は、原則としてあとから撤回できません。「後で価値のある財産が見つかった」としても、元には戻れないのが基本です。

また、プラスの財産も全部あきらめることになります。預金・不動産・車など、すべてが対象です。

もう一つ意外と見落とされがちなのが、放棄した人の子どもに代わりに相続が移る(代襲相続)ことは基本的には起きない点です。放棄した人の「家系」は、その相続から丸ごと抜けることになります。そのかわり、次の順位の親族に相続権が移っていきます(借金が消えるわけではありません)。

相続放棄のメリット・デメリットについて詳しく見る

4. 放棄すると次の相続人に移る

相続放棄をしても借金がなくなるわけではなく、相続権が次の順位へ移っていくイメージです。

第1順位
子(孫)
第2順位
親(祖父母)
第3順位
兄弟姉妹(甥姪)

たとえば、配偶者と子が全員放棄すると、場合によっては故人の親や兄弟姉妹に督促が届くことがあります。実務では、次順位の方が寝耳に水にならないよう、事情をあらかじめ共有しておいた方がトラブルになりにくいです。連絡の仕方やタイミングは状況によって異なりますので、迷ったら専門家にご相談ください。

5. 一番多い失敗:放棄の前に「やってしまってアウト」

相続放棄の検討中にもっとも気を付けていただきたいのが、法定単純承認(民法921条)です。一定の行為をしてしまうと、法律上「相続を承認した」と扱われ、その後の相続放棄が難しくなることがあります。

やらないのが安全な行為

被相続人の預金を引き出す・解約する/被相続人の借金を勝手に返す/価値のある遺品を売る・捨てる・持ち帰る(形見分けを含む)/不動産を売る・取り壊す・賃貸借契約を解約する など

例外的にOKになり得る行為(ただし必要最小限)

腐敗食品の処分など衛生上やむを得ない対応や、雨漏りで近隣に被害が出るような緊急補修(保存行為)は許容される場合があります。

葬儀費用はケースによって判断が割れます。もっとも安全なのは、喪主が自分のお金で立て替えることです。

生命保険金は、受取人固有の財産として扱われるのが通常で、相続放棄と両立しやすいとされています(契約内容によって確認が必要です)。

迷ったときは「触らない」「動かさない」が基本です。どうしても必要な支出がある場合は、先に専門家へ確認した方が安全です。

相続放棄の前にやってはいけないことを詳しく見る

6. 期限は原則3か月 ― 起算点を間違えない

相続放棄の申述は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った日」から3か月以内に行う必要があります(民法915条)。

よくある誤解

「死亡日から3か月」と思い込んでいる方が多いのですが、疎遠だった親族などで死亡を知るのが遅れた場合は、「知った日」が起算点になり得ます。

3か月で判断が間に合わないとき:期間伸長(延長)

財産関係が複雑で調査が終わらない場合は、期限が切れる前に家庭裁判所へ「承認・放棄の期間の伸長」を申し立てることができます。期限を過ぎてからでは使えない手続きですので、「間に合わないかもしれない」と感じた時点で早めに動くことが大切です。

7. 期限を過ぎたらどうなるか

原則として、3か月を過ぎると相続放棄は難しくなります。ただ実務では、「交流がなく、借金があるとまったく知らなかった」「数年後に突然督促が届いて初めて借金を知った」というケースもあります。こうした場合は、事情によっては「借金を知った日から3か月」という考え方で争点になることがあります。

ただし、ここは申述書の書き方(事情説明)や証拠の出し方で結果が変わり得る領域です。期限経過後は、自己判断で進めるより、早い段階で専門家へ相談されることをおすすめします。

相続放棄の期限についてさらに詳しく見る

8. 必要書類と実費の目安

必要書類は、申述人が「配偶者・子・親・兄弟姉妹」のどこに当たるかで増減します。

書類 備考
相続放棄申述書 家庭裁判所の書式あり
被相続人の住民票除票 or 戸籍附票 最後の住所地を確認するため
申述人の戸籍謄本 相続人であることの証明
被相続人の出生~死亡の戸籍一式 立場により必要(親・兄弟姉妹の場合など)
先順位者の死亡が分かる戸籍 後順位の相続人が放棄する場合

実費の目安

費目 金額の目安
収入印紙 800円(申述人1人につき)
予納郵券(切手代) 数百円程度(裁判所により指定あり)
戸籍・除票等の取得費 数千円〜(郵送請求が増えると上がります)

9. 手続きの流れ

1
状況確認(財産・借金のあたりを付ける)

郵便物、督促、契約書、通帳、不動産資料などを確認します。この段階では、遺産を「処分」する行為は絶対に避けてください。

2
戸籍など必要書類を集める

郵送請求が必要な場合は時間がかかるため、早めに着手するのがポイントです。

3
家庭裁判所へ申述(窓口 or 郵送)

提出前にコピーを保管しておくと安心です。管轄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所になります。

4
照会書(質問票)が届いたら回答して返送

「本人の意思で申し立てたか」「遺産を処分していないか」などの確認が行われます。矛盾した回答は手続きが止まる原因になりますので、落ち着いて事実ベースで記入してください。

5
受理通知書が届けば完了

以後、督促が届いた場合は受理通知書の写しを相手方に提示して対応します。

10. 自分で? 司法書士? 弁護士?

相続放棄はご本人でも手続き可能ですが、「期限」と「やってはいけない行為」の見極めが重いため、専門家に依頼される方も多くいらっしゃいます。

自分でやる
  • 相続関係が単純(配偶者・子)
  • 借金も状況も分かりやすい
  • 平日に役所・裁判所に動ける
  • 期限にも余裕がある
司法書士に頼む
  • 親族間で大きな争いはない
  • 書類収集・申述書作成を確実に進めたい
  • 不動産が絡む(空き家・山林など)
  • 整理しながら判断したい
弁護士に頼む
  • 債権者対応を前面に任せたい
  • 親族間の争いが強い
  • 期限経過後で主張立証が難しい局面
司法書士は書類作成と裁判所提出サポートが得意な領域です。一方で、相手方と争う交渉や代理(紛争対応)が中心になる場合は弁護士領域になります。「うちの場合はどちらに相談すべきか」と迷ったら、まずはお気軽にご連絡ください。

11. 相談前にまとめておくとスムーズなもの

手元に全部そろっていなくても相談は可能ですが、以下の情報があると話がスムーズに進みます。

ご準備いただけると助かるもの

いつ亡くなったか、いつ知ったか(だいたいでかまいません)

督促状・請求書・契約書など(写真でも可)

通帳・カード・郵便物の情報(分かる範囲で)

不動産があれば固定資産税通知書・登記事項証明書など

相続人関係(配偶者・子・親・兄弟姉妹が誰か)

司法書士からのひとこと
  • 相続放棄は「出せば終わり」に見えて、期限の管理触ってはいけない行為の見極めで結果が変わります。
  • 迷うポイントがあるなら、早い段階で一度ご相談いただき、「今なにをしてよくて、なにをやってはいけないか」だけでも整理しておくと安心です。
  • 次順位の親族にも影響が及ぶ手続きです。ご自身だけの問題にせず、早めの情報共有を心がけてください。

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